「養生テープ」も糊が残る

 ハウスクリーニング神戸 代表の江本です。先日の台風19号による被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。幸いと言って良いかどうかは分かりませんが、神戸市では大きな被害は見られなかったようです。(※)しかし、東日本を中心に大きな被害が発生しており、私自身、学生時代に約5年ほど東京都八王子市で暮らしていましたので、テレビのニュースに写る映像を他人事とは思えずに見ておりました。

 改めて、被災された皆様が一日も早く元の生活に戻ることが出来るように願っております。

 

 さて、今回の台風で一躍注目を集めたものに「養生テープ」がありました。ご存知の方も多いとは思いますが、「養生テープ」とは、工事や引越しなどの際に、建物の内装などに傷を付けないように仮設する養生材(ダンボールやシート、または養生専用のボードなど)を固定するために使う、比較的粘着力の弱いテープのことです。

 

 今回の台風では、割れた窓ガラスの飛散防止に有効だとの情報が広まり(注:決してガラスが割れるのを防ぐものではありません)、関東地方のホームセンターでは品切れになるほどの人気だったと言われています。

 ガムテープなどの梱包用テープに比べて粘着力が弱いため、テープを剥がした跡に糊が残らないからというのが、養生テープが人気を博した理由だそうです。

 

 しかし、場合によっては「養生テープ」であっても糊が残ることがあります。(職人の間では、こうした状況を糊が「沸く」などと言います。)

 「養生テープ」にも粘着力の違いによって幾つかの種類があり、現場での経験から言えば、一般に養生テープとして広く流通している繊維質のもの(緑色のものが多い)は、表面がつるっとしたもの(ピンク色などが多い)に比べると、糊が残りやすいようです。

 特に、長期間(数週間以上)貼ってあった場合や、直射日光の当たる場所、真夏など高温になる場所で使用していた場合は、ガラスや床面などに糊が残ってしまいます。

 

 そのような時は、ホームセンターなどに売っている「ペイントうすめ液」を用いて除去すると良いかと思います。ウエスや小さく切った布にうすめ液を含ませて、残った糊を拭き取っていきます。ガラスや床面にうすめ液が残らないよう、最後に水拭きと空拭きを忘れないようにしてください。また、うすめ液は臭いがしますので、換気に注意し、使ったウエスなどは水に濡らしてからポリ袋などに密封し、早めに燃えるゴミとして処分してください。

 

 私たちであれば、三枚刃などと言われる鋭利な刃やカッターナイフの刃などを挟み込んだ器具を用いて、残った糊を削り取ったりします。しかし、市販のスクレーパーなどを用いるとガラスや床面に傷が付いてしまいますし、三枚刃を使った器具(こうしたプロ用の器具も通販で売られているようです)などは鋭利な刃を使っていますので、慣れていないと(何針も縫うような)怪我の元となってしまいます。

 このため、時間は掛かりますが、うすめ液だけで根気強く作業をする方が無難でしょう。

 

 もし、ガムテープを貼り付けてしまうなど、うすめ液だけでは取り切れなかった場合は、無理をせず、専門の業者を呼んでいただいた方が良いかと思います。

 

 

(※)2019/10/21追記

 本日、神戸市より10月12日に強風のため転倒した女性の方の死亡が発表されました。お亡くなりになられた方に、お悔やみを申し上げます。

 

 

コメント欄は、最新のブログのみ有効です。