フローリングにワックスを塗る1

 こんにちは、ハウスクリーニング神戸代表の江本です。本日は、フローリングにワックスを塗る際の注意点などについてです。

 フローリングに塗られたワックスは、時間が経つと少しづつ取れてきます。そのため、1年に1回など定期的に塗り直しをする必要があります。その時の注意点などをまとめてみました。

1) 塗る前にきれいに清掃する

 まず大切な点は、塗る前にフローリングの表面をきれいに清掃するということです。ワックスを塗ってしまうと、ワックスの下にある汚れを取ることはできませんので、ワックスを塗る前に、しっかりと清掃し、フローリング表面の汚れや埃を除去します。その際は、掃除機をかけるだけではなく、モップなどを用いてきれいに水拭きを行います。部屋の四隅などには埃が残りやすいので、雑巾や先を丸めたドライバーなどを使い、手作業で拭き取ります。

 

 また、移動できる家具などはあらかじめ移動させてからワックスを塗り、乾燥後に元の位置に戻すようにします。

 

 なお、台所周りなどの汚れがひどい箇所や、塗りムラが生じてしまった場合、ワックスを何度も塗り重ねている場合(ワックス表面に線のような傷が見えるようになります。フローリング自体の傷ではなく、あくまで何度も塗り重ねたことで生じるワックス表面の傷です)などは、塗ってあるワックスを一度剥離させる必要があります。

 この剥離作業は、例えばコンビニエンスストアなどの化学床を使用している床では、強力な剥離剤やポリッシャー、バキュームなどの機械を使用して一気に剥離していきます。しかし、木製のフローリングは水に弱く、そのような方法では、フローリングのすき間から水が浸入して、変色や表面の板(突板)の膨れなどが生じたり、フローリングの表面に傷が付く恐れがあります。

 

 このため、フローリングに塗られたワックスの剥離作業では、弱めの剥離剤を用い、少しづつ手作業で剥離するように心がけています。

2) ワックスを塗る

 フローリングに塗布するワックスは、液体の樹脂ワックスを使用します。樹脂ワックスには、化学床用、フローリング用など用途に応じた種類があり、近年ではワックスフリータイプのフローリングにも塗ることが出来る密着性を高めた製品もあります。(ワックスフリーのフローリングには、ワックスを塗る必要はありませんが、お客様のご希望により塗布することもあります。)

 

 こうしたワックスを塗る時には、ワックス塗布用のモップを用いて、液体のワックスを塗り広げていきます。時折り勘違いをしている方もいらっしゃいますが、車のボディに塗るワックスとは違い、雑巾やスポンジにつけてゴシゴシと擦るわけではありません。(木部用のワックスなどでは、車と同様の塗り方をするものもあります。)

 

 この時、ジョロなどを用いて一定量を床面に撒き、モップで素早く塗り広げますが、この方法はワックスの取扱説明書ではNGとされています。おそらく、手早く塗り広げないと始めに撒いたワックスが固まってしまい塗りムラとなってしまうことと、フローリングのすき間からワックスが内部に侵入し、フローリングの膨れや変色の原因となってしまうからだと思いますが、現場では一般的に行われている方法です。

 しかし、ワックスの塗布に慣れていない場合は、取扱説明書に書かれた方法(ワックスを床に直接撒かずにトレーなどに入れ、そこにモップを浸して染みこませて塗る方法)で作業された方が安全です。

 

 この時に注意しないといけないのは、塗る時の切れ目をどこにするか考えて塗っていくことです。というのも、ワックスが乾いた部分に塗り重ねてしまうと、1回塗りと2回塗りの部分が混在してしまいムラになってしまいます。室温があまり高くない時や湿度が高い時はいいのですが、室温が高く、湿度が低い時は、一部屋塗っている間に、隣の部屋は乾いているという場合も出てきます。

 こうなると、どうしても部屋と部屋、部屋と廊下との繋ぎ目が重ね塗りになりやすいのですが、そうならないように、沓摺りやフローリングの溝を利用して区切りを付け、塗り重ねないように注意します。しかし、沓摺りがないドアなどもあり、どうやって塗るかパズルのように考える時もあります。

 

 ワックスの乾燥には通常、2時間ぐらい必要です。(もちろん、気温や湿度によっては、上記のように塗った傍から乾いてくるときもあります。)急ぐ時には、業務用の扇風機(家庭用よりも強い風が送れるものです)を使用して乾燥させます。

 

 乾燥させている途中で塗り忘れた箇所やスジの様に見える部分が見つかり、手直しをしたくなっても、一旦乾燥し始めたら完全に乾くまで触ってはいけません。半乾きの状態で触ってしまうと中途半端にワックスが剥がれ、見栄えが非常に悪く(ムラムラに)なります。こうなると、剥離するしか方法がなくなりますので、途中で手直しをしたくなっても、完全に乾くまでじっと我慢です。

 

本日は、ここまでです。ワックスの塗布について、次回に続きます。

 

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