フローリングは水に弱い

 こんばんは。ハウスクリーニング神戸 代表の江本です。本日は、最近の住宅で使われているフローリングは水に弱いというお話です。

 

 現在、住宅用のフローリングで主流となっているのは、複合フローリングと言われるものです。これは、合板など数種類の板の上に突板(つきいた・天然木を薄くスライスしたもの)や 木目などを印刷したシートを張り合わせたフローリングです。

 木目などを印刷したシートを用いたフローリングは特にシートフローリングなどと呼ばれますが、印刷技術の進歩により、ぱっと見ただけでは突板(天然木)を用いたものと見分けが付けにくく、よく見ると全く同じ木目模様のものが見つかりますのでシートだと分かるぐらいです。

 この突板やシートの上に様々な塗装や表面加工がされており、抗菌やワックス不要(ノンワックス・ワックスフリー)などの製品も販売されています。

 

 こうした複合フローリングにおいて、近年、数多く使用されている素材がMDF(中密度繊維板・medium density fiberboard)と言われるものです。これは、木質繊維に樹脂などの接着剤を加えて成型した板で、エコや耐凹み性の向上の為に、表面の突板やシートの一層下に使用されています。

 

 一般にMDFは水を含むと膨張する性質があり(耐水性を向上させたMDFも存在するそうです)、これがフローリングが水に弱い理由の一つとなっています。

 フローリングの表面は塗装や加工などによって ある程度の耐水性が確保されているのですが、フローリングのつなぎ目から水が浸入すると内部のMDF層が膨らんでしまい、表面の膨れなどが生じてしまいます。

 

 このため、フローリングを水拭きする際は出来るだけ水分を表面(特にフローリングのつなぎ目)に残さないようにすることが大切です。雑巾を使う場合は出来るだけ固く絞り、拭いた後にすぐ空拭きをする方がいいでしょう。モップを使う時も出来るだけ固く絞って使用してください。もちろんフローリングに飲み物などの液体をこぼしてしまった時は、すぐに拭き取った方がいいのは言うまでもありません。

 

 新築の現場では、以前はフローリングと幅木のすき間に付着したほこりやパテの粉などを取る為に、洗車ブラシを用いて水洗いをしていました。(ホースで水を流すわけではありません。あくまでバケツの水を洗車ブラシにつけて洗うという作業です。)その際も、すぐに雑巾で水気を拭き取るようにしていましたが、MDFを使用したフローリングが主流となってからは、洗車ブラシは使わず、手作業で拭き取るようにしています。

 また、バケツで水を持ち運ぶ際にこぼさないように、バケツの半分までしか水を汲まないようにしていることは以前お話しした通りです。

 

 ワックスの剥離作業を行う際は、より注意が必要です。剥離作業とは、剥離剤(強力なアルカリ性の洗剤と考えてください)を使用して塗ってあるワックスを剥がす作業ですが、コンビニなどの化学床を使用した場所では、ポリッシャーやバキュームといった機械を用いて作業します。その際、かなりの量の水(剥離剤)を使用しますが、同様の方法でフローリングの剥離作業を行うと、すぐにすき間から水が内部に入ってしまうでしょう。また、化学床(店舗など)と同様の機械を用いると恐らくフローリングに傷がついてしまうと思います。

 そのため、フローリングのワックスを剥離する時は、ノンワックスフローリングを水拭きする時と同様に、1㎡ぐらいづつ手作業で(弱めの)剥離剤とメラミンスポンジを用いてワックスを剥がし、すぐに水拭き→空拭きをするようにしています。

 かなり手間のかかる作業ですが、フローリングを傷めずに作業する為には仕方の無いことだと考えています。

 

 本日はここまでです。

 

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