「業務用」に潜む危険

 こんばんは。ハウスクリーニング神戸 代表の江本です。本日は、「業務用」と表示された製品に潜む危険についてです。

 

 現在、スーパーマーケットやホームセンター、また通販サイトなどで「業務用」と表示された製品が数多く販売されています。その多くは、「業務用」という言葉が、「大容量」「お徳用」といった、ただ単に大きな包装で割安な商品という意味で使われているものなのですが、中には少し違った意味で使われているものがあります。

 それは、「使い方を知らずに使うと危険」「使用法を熟知した人のみが使用できる」というもので、一般的にも「まぜるな危険」の表示がある塩素系漂白剤と酸性の洗剤を同時に使用することの危険性は、よく知られているのではないかと思います。

 とは言え、木部洗い(古くなった和室の柱などの灰汁洗い・染み抜きなどの作業)の際には、酸性の薬剤を使用した後に塩素系の漂白剤を使用する工程があり、もちろんよく乾燥させた後に作業を行うのですが、殊更 換気には気を使って作業する必要があります。

 さらに、この時使用する薬品の中には、素手で触ってしまうと必ず病院で処置を受けないといけないものがあり、購入する際には法律の定めによって住所・氏名などを記入し捺印を求められますが、通販サイトなどで手軽に購入できてしまうという現実がありました。(どうやら、今後はネット販売不可ということになったようです。)

 以前、取引先の工務店の方から、この種の薬品を雨染みができてしまったので少しだけ譲ってほしいと言われたこともありましたが、危険性を知っているからこそ「絶対にダメ」と強くお断りした記憶があります。

 

 また、ホームセンターで売られている洗剤の中にも「業務用」の表記がされているものが数多くあり、「お徳用」ではない意味での「業務用」の製品も一緒に販売されています。

 例えば、私たちがレンジフードなどのクリーニングで使用する油汚れ用の洗剤の中にも、原液を素手で触ると皮膚を傷めてしまうものがあり、使用する際には必ずゴム手袋などの保護具を使用し、適切な濃度に薄めて使いますが、この洗剤も多くのホームセンターで普通に販売されています。

 今年春に、電車のシートに職場から持ち帰ろうとした洗剤をこぼしてしまい、次に座った人が化学やけどを負ってしまうという事故(事件?)がありました。新聞記事などによると、こぼした人は料理人で、職場にあった強アルカリ性の洗剤を家に持ち帰ろうとして起こした事故ということでしたので、推測ではありますが、私たちが日ごろ使用している種類の「業務用」の洗剤だったのだろうと思います。

 

 この種類の洗剤には、素手で触ると危険という他に、使用法を誤ると対象物を傷めるという危険性もあります。濃度が濃すぎたり、塗布した後 水拭きをする前に時間が経ち過ぎると、素材(例えばキッチンのタイルなど)に変色や すじ状の跡が残ってしまうことがあります。(業者の間で「焼ける」と言われる状態です。)そうなると、せっかくきれいにしようとしたのにも関わらず、取り返しのつかないことになってしまいますので、こういう種類の洗剤を使用される時は、当たり前のことですが、使用上の注意(必ず容器に記載されています)をよく読んで、理解してから使用することが肝心です。

 

 以前はプロ向けのショップ、卸業者からでしか購入できなかった製品が、手軽に入手できる世の中になりました。そのため、自分でやってみようと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、であればこそ、使い方がよく分からない、自信が無いと感じた時には決して無理をせず、時には専門業者に依頼されることも必要かと思います。

 

 本日はここまでですが、ホームセンターで売られている製品の中には、使い方を誤ると危険なものが他にもあります。この点については、また次回お話したいと思います。

 

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